ブッダ 物語(3)3つの願い、ラゴラ誕生、出城

私も城を出て、永久に変わらぬ幸福を求めたい。

悩みを深める太子に、浄飯王は、何とか明るい太子になってもらおうと腐心します。

「もしかして、1人で足りなかったのか」

俗世間からの考えしかない浄飯王は、何と、春夏秋冬四季の御殿を

建て、そこに美女500人を侍らせて、連日宴会を催したのでした。
しかし、シッタルタ太子には白けきった気持ちしかありません。

「ああ、こんなことにうつつを抜かしている間はない」

そしてシッタルタ太子は、ある時、意を決して、

父・浄飯王の前に手を突いて、出家を申し出たのでした。

王は、大変驚いて、

「いったい何が不足でそんなことを言いだすのだ。

王であるわしがお前の望むことは何でもかなえてやろう」

「それでは父上、申しましょう。私の願いは3つです。

「願いの1つ目は、いつまでも今の若さで、年老いないことです。

願いの2つ目は、いつも元気で病で苦しまないことです。

さらに、3つ目は、死なない身になることです」

「ばかな!そんなことになれるものか!

誰だって年老い、病にかかり、最後は死んでいくのだ。

それがどうしたのだ。

馬鹿なことを言うものではない」

浄飯王はあきれて、その場を立ち去りました。

何とか出家が叶わぬものかと、悩まれる太子に、

ある日、突然の知らせが飛び込みます。

妻、ヤショダラ姫の懐妊でした。

城を出て真実を求めたい気持ちは募る一方ですが、

やがて生まれる子ども、妃を捨てていけるものか。

一層、煩悶は深まるばかりでした。

そして、ついに、無事出産知らせを聞いたシッタルタ太子は

「ああ、ついにラゴラ(束縛者)が生まれたか」

自分を俗世界に縛り付けるものの誕生への嘆息しかありません

でした。

何と、それを聞いた家来によって、赤子はラゴラと名付けられて

しまうのです。

もはや、自分にはこの生活を捨てることなどできない。

約束された王位、名誉、国民からの尊敬、類まれなる能力に

恵まれたことを喜び、美しい妻、愛しい我が子、これらのものと

この世の春を謳歌して過ごすのも一興かもしれない。

そんな太子が、ふとある夜、宴会の後に疲れて皆が寝静まった

頃に目を覚まされると、眼前の光景に愕然とされたのです。

日頃、美しく着飾り、華やかな女性たちが、だらしもない姿で

寝ており、醜態をさらしていたのです。

ああ、私は騙されていた、騙されていた。

もうこんなことに溺れているわけにはいかない。

決意されたシッタルタ太子は、密かに車匿というものに、馬を

ひかせ、真夜中に城を出られたのでした。

シッタルタ太子29歳2月8日のことでした。

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